新聞・テレビなどでは、猟奇殺人、強姦等のおよそ人の所行とは思えないような犯罪を犯した極悪非道な犯人に関する報道がなされています。

このような極悪非道な犯人には弁護人をつける必要などなく、早急に処罰すべきであるとも考えられますが、極悪非道な犯人を被告人とする刑事裁判であっても、被告人を弁護するための弁護人は存在します。

しかし、何故、極悪非道な犯人を弁護する必要などあるのでしょうか。

今回は、刑事弁護人の役割についてお話させていただきます。

ご存知の方も多いと思いますが、犯行態様が極めて悪質な光市母子殺害事件に関連する大阪府知事就任前の橋下徹弁護士のテレビでの発言を受け、被告人である元少年の弁護人らは、名誉毀損等を理由に橋下徹弁護士に対して損害賠償を請求していました。そして、第一審及び第二審では、橋下徹弁護士の損害賠償義務を認める旨の判決が言い渡されましたが、平成23年7月15日の最高裁判決は、橋下徹弁護士の損害賠償義務を否定して弁護人らの請求を棄却しました。

今回の放送では、上記の橋下弁護士に対する損害賠償請求についてもなるべく分かりやすく言及していますので、光市母子殺害事件の概要、橋下弁護士のどのような行為が問題とされていたか等を詳しく知らない方にもお聞きいただければ幸いです。